慢性腎不全−札幌のすぎうらペットクリニックさんの症例報告から

「腎臓は体の中で尿を作っている臓器。体内に蓄積しては困る老廃物を尿中に排泄する働きをしています。この腎臓、人間でも犬でも猫でも体の左右に一つずつ、合計二つ存在しています。〜中略〜この腎臓、いろいろな理由で障害をうけ、きちんと働くことができなくなって行きます。
ある程度の時間をかけて腎臓が障害されていき、腎臓全体のおよそ半分が障害されると尿を濃縮する能力が落ちてきます。さらに障害が進行して腎臓全体の1/4が障害を受けると、血液検査で腎臓に関する数値が悪化してきます。
尿を濃縮する能力が落ちてくると、症状として「水を飲む量が増える」「おしっこの量や回数が増える」といったことがでてきます。この時に尿検査をすると、尿の濃度を数値で表すことができ、濃いか薄いかを客観的に判断することができます。この時期には血液検査をしても数値上の異常はないか、あっても軽度でしかありません。
犬では朝晩お散歩の時におしっこしていたのに、最近昼にも行きたがるとか、夜中にもトイレに起こされる・・・なんてこともあります。
時間をかけてゆっくり増えてくるので気付かないことが多いですが、病院でこのように質問すると「ああそういえば・・・」と思いあたる方もいらっしゃいます。
腎不全が進行すると、尿量が多くなった分を飲水から補うことができなくなり、体が徐々に脱水状態になってきます。脱水状態はさらに腎臓に負担をかけ、どんどん腎臓が悪くなって、最終的に「尿毒症」という状態になります。
尿毒症は本来尿中に捨てられるべき老廃物が体内に高濃度に蓄積する結果、様々な症状が引き起こされるものです。嘔吐、体重減少、食欲不振、貧血、脱水、進行すると痙攣などの神経症状を起こすこともあります。」
これって、怖いのよね。ワタシなんかいつも旦那に見張られてる。