蘇民将来

今日は祇園祭宵山、京都にいなくても何となく「こんこんちきちん・こんちきちん」って音が聞こえてくる気がする。
祇園祭で授与される「 粽 」( ちまき )は「 茅巻 」 に由来しており、「 蘇民将来子孫也 」( そみんしょうらいのしそんなり )と書かれた 札付きの粽を門戸に懸けることで、蘇民将来の子孫である( とする )この家を疫病からお守りください、との願いが込められているのです。
蘇民将来伝説 』素戔嗚尊 ( スサノヲノミコト : 八坂神社の御祭神 )は旅の途中、一夜の宿をある兄弟に頼みました。 裕福な弟の 巨旦将来 ( こたんしょうらい )はあっさり断りましたが、貧乏だが心の優しい兄の 蘇民将来( そみんしょうらい )は快く迎え入れました。
蘇民将来一家の温かいもてなしを大変喜んだ素戔嗚尊 は、「 疫病が流行れば、茅の輪( ちのわ )を作って門に懸けよ 」 と言い残して旅立ちました。
その後、疫病が大いに流行り、茅の輪を門に懸けた蘇民将来一家は無事助かり、巨旦将来一家は滅んでしまいました。( 伝、八坂神社 )
6月30日、京都各所で行われる『 夏越祓 』( なごしのはらい:前半年の罪を祓い、後半年の無事を願う行事 )の「 茅の輪くぐり 」( 疫除け )の風習は、この『 蘇民将来伝説 』に由来しています。